***(プロローグ略)
(通信ON音)
ユウ「こちらタウゼントフェスラー9。サイド7宙域到達まであと0100。現在までの航行に異常はない…」
(通信OFF音)
「…本社の慎重な姿勢は認めるが…この定時連絡の回数の多さは異常だな」
カーラ「ホントね…せっかく、ユウと二人きりだってのに。これじゃキスの一つも出来やしないわ」
「…俺はお前の恋人になった覚えはないが…」
「とにかく、1年かそこらの訓練で輸送機のパイロットになれただけでもマシだったか…」
(だが…よく考えてみれば妙な話だ)(確かにPTのテストパイロットを志願してマオ・インダストリーに入社したが…)
(たった1年で輸送機とはいえ、正規のパイロットに任命されるとは…)
(それに、訓練生同然の俺達をいきなり輸送機のパイロットにした理由も分からないな)
「どうしたの?難しい顔しちゃって…ま、いつものことだけどね」
「どうして俺達が今回の仕事に選ばれたのか考えていた」
「言われてみれば、そうね。あたし逹、まだ半人前なのにね」
(………)
「でも、積み荷を運び終えたら休暇がもらえるし…2人でどこかへ旅行に行かない?」
(………)
(二択)
【それはいい考えだと思う】
「お前と2人きりで旅行……何もしないなら、別に構わないが」
「何もしないならって…それじゃつまんないな」
【他にやりたいことがある】
「すまないな。休暇が取れたら白磁のティーカップを買いに行く予定がある」
「じゃ、あたしもそれに付き合ったげる」
***
「とにかく、まだ仕事中だ。気を抜くのは早い。今回の積み荷は色々とワケありだからな」
「ご、ごめん」
「とりあえず、念のために積み荷の確認をしてくる。話をしてたら何か気になってきた」
「あたし、聞いたの…。今回の積み荷の噂を…」
「ああ、バニシング・トルーパーのことか」
「形式番号にRがつくパーソナルトルーパーには謎の技術が組み込まれていて…不吉な事件がよく起こると…」
「R…?そういえば、積み荷の形式番号はRTX-010だったな」
「テクネチウム基地の消滅事件…1号機のブラックホールエンジンの暴走が原因だって聞いたよ」
「そんな噂、いちいち気にしてたらしょうがない。格納庫へ行って来る」
「わかった…気をつけてね」(………)
「?………おかしいわ。ミノフスキー粒子が戦闘濃度まで散布されてる…?」
***
「バニシング・トルーパー、ヒュッケバインの2号機か…。あいつが言うとおり厄介な積み荷だ」
「しかし、どうして本社はこんなものを俺達だけで輸送するような命令を出したんだ?」
「新型の人型機動兵器なのに行き先は軍じゃなく、DCの日本支部…一体何が目的で…」
「もっとも、仕事を受けた以上…余計な詮索をするのは紳士的じゃないが…」
「コクピットハッチが開いている…?出港時に確かめたはずなのに…」
(爆発音)
「!?」
(通信ON音)
「どうした、カーラ!何があった?この振動は爆発だぞ!」
(通信音)(雑音)
「ちっ…ヒュッケバインMk-IIの通信機を使ってみるか」
(機体起動音)
「何だ?機体がアイドリング状態だ…勝手に起動していたのか?」「それより…応答しろ!何があったんだ!!!」
(通信音)(雑音)
「…モビルスーツが…輸送機を…………脱出して……」
「雑音がひどくて聞き取れない。もう一度言ってくれ!」
(爆発音)(エマージェンシー音)
「くっ、直撃か!?」
シナリオタイトル【#01「バニシング・トルーパー」】
(戦闘マップ開始)
「くっ…タウゼントフェスラーは…輸送機は無事なのか!?」「………」
「反応がない…まさか…そんな馬鹿な…!!カーラ、応答しろぉっ!!」
(ティターンズ出現)
「あれは連邦軍のモビルスーツ!まさか…あいつらが輸送機を!?」
ヤザン「ほう、さすがはヒュッケバインだ。輸送機の爆発にビクともしていない」「並みのモビルスーツとは出来が違うって話も頷けるな」
「同じMK-IIでも、あの機体の方が上かも知れん。道理でジャマイカンがあれを欲しがるわけだ」
「そこのモビルスーツ!!俺の輸送機はマオ・インダストリーの所属だぞ!何故、攻撃する!?」
ヤザン「チッ…パイロットが乗っていたか。各機、当初の予定通りにヒュッケバインを奪取しろ!」
「それと…最悪の場合、パイロットは殺しても構わんぞ」
「何っ…仕掛けてくる?やるしかないのか…!?」
「まだパーソナルトルーパーを動かしたことはないのに…!マニュアルはどこだ!?」
(サイコミュ)
「!」「何!?頭の中に…操作方法の情報が流れてくる…!?」
「ヒュッケバインが俺に操作方法を教えてくれるのか!?」「………」
(二択)
【基本的な戦闘方法を確認する】
「…基本動作はPTがやるのか。あとは機体の移動と武器の選択、それに敵から攻撃を受けた時の対処を選択…」「まず、個別コマンドど『移動』を選択し、続いて移動範囲内で移動先をカーソルで決定する」「するとヒュッケバインMk-IIがそこまで移動するはずだ」「普通はこれで行動終了だ。そして、全体コマンドの『ターン終了』を選んで決定する」「敵ターンで敵機が行動した後、自分のターンで個別コマンドに『攻撃』が表示されたら、敵を攻撃出来る」「個別コマンドの『攻撃』を選び、リストの中で明るく表示されているのが使用できる武器だ。中から一つを選び…」「カーソルで目標となる敵を選択。ただし、射程や必要気力、ENが足りない武器は使えない」「敵から狙われた時は『反撃』『防御攻撃』『回避』『防御』のどれかを選択…」「『反撃』は敵にダメージを最も多く与えられるけど、こっちも攻撃を受けてしまう可能性もある」「『防御攻撃』は敵のダメージを75%に抑えるが、こちらが与えるダメージは通常の50%になってしまう」「敵に決定打は与えられないけど、こちらが生き残る可能性も高くなる」「『回避』はこちらの回避率が上がり、敵の命中率がほぼ半分になる。一番確実に攻撃回避が出来る手段だ」「『防御』は機体に防御態勢を取らせ、敵からのダメージをほぼ半分に減らす…最も無難な手段かもな」「だが、敵の能力値がこちらより低ければ、攻撃が当たることは少ないし、当たってもそんなにダメージを受けない」「それに、ヒュッケバインMk-IIには『グラビティ・ウォール』という特殊な防御装置があるようだ」「こいつは気力が上がれば、自動で起動する。普通の敵の攻撃ならダメージを無効にしてくれる」
「よし…このままやられはしない」
【基本的な戦闘方法を確認しない】
「よし…行けるぞ」
***
(エゥーゴ出現)
(前略)
クワトロ「そこのパーソナルトルーパー!今から救援に向かう。もし機体が損傷しているのなら戦域から離脱しろ」
「連邦軍のモビルスーツ?俺を助けてくれるのか?しかし、どうして連邦軍同士で戦うんだ…」
クワトロ「………」「それよりも、戦闘のコツを手短に教えておく」
「自分の攻撃が敵に当たりにくいと思った場合はまず、敵との間合いを詰めろ」
「敵に近づけと!?」
クワトロ「ああ。なるべく敵に接近して攻撃すれば、命中率が上がる。だたし、機体のHPには気をつけろ」
「つまり、敵との間合いを考えて攻撃しろということか…!」
クワトロ「そうだ。やれるか?」
「何とかやってみます!」
(後略)
【vsヤザン】
「よくも無抵抗の輸送機を…!」
ヤザン「フン、それが任務だからな。もっとも、俺は戦いが楽しめれば何でもいいんだがな!」
***(戦闘マップ終了→後半デモ)
クワトロ「艦長、パーソナルトルーパーの収容を完了した」
ヘンケン「ご苦労だった」
ブレックス「クワトロ大尉、パイロットは無事なのか?」
クワトロ「ええ。すまんが君、所属部隊と姓名を教えてくれないか?」
「マオ・インダストリーのユウキ=ジェグナン。輸送機のパイロットです」
ブレックス「若いな…その歳でパイロットをやっているとは」
クワトロ「マオ・インダストリーと言えばパーソナルトルーパーのメーカーだな。確か、本社は月にあったはずだ」
ヘンケン「つまり、君は軍の人間ではなく…月から来た民間人パイロットというわけか」
「はい」
ブレックス「ところで君は何故、あのパーソナルトルーパーに乗っていたのかね?」
「月からヒュッケバインMk-IIを地球へ輸送していたんです。その途中でさっきの部隊に襲われて…」
クワトロ「やはり、あのパーソナルトルーパーはヒュッケバインか…」
ヘンケン「ヒュッケバイン…? その名前は聞いたことがあるな」
クワトロ「軍属のパイロットの間ではバニシング・トルーパーとあだ名され、恐れられている機体だ」
ブレックス「そう。EOTを本格的に組み込んだパーソナルトルーパーだ。その性能には目を見張るものがある」
「だが、2年前…」「月の連邦軍テクネチウム基地はヒュッケバイン1号機暴走事故が原因で消滅してしまった…」
ヘンケン「ああ、思い出しました。生存者がわずか3名だったというあの大事故のことですね」
ブレックス「そうだ」
ヘンケン「なるほど、それで消滅…バニシング・トルーパーというあだ名がついたわけか」
「それにしても、何故マオ・インダストリーは君にヒュッケバインを輸送させたのだ?」
「それにこの不穏な状況下で地球へ向かわせておきながら護衛もなしで…」
(………)
ブレックス「ヘンケン艦長。ユウキ君は軍人ではないのだぞ」
ヘンケン「あ、ああ。そうでしたね。すまんな。無理に答える必要はない」
「すみません、いいですか?さっきの部隊は…それにあなた達は一体…?」
ヘンケン「先程の部隊はティターンズ。ジオン軍の残党狩りを目的とする連邦軍の特殊部隊だ」
ブレックス「だが、その実態は宇宙居住者の台頭を快く思っていない地球連邦政府や連邦軍上層部…」
「つまり、地球至上主義者によって結成された秘密警察なのだ」
ヘンケン「地球から宇宙を支配する権力者たちの尖兵だと思ってくれ」「その証拠に、ティターンズのメンバーはほとんどがアースノイドだ」
「ティターンズの噂は聞いています。でも、その彼らが何故俺達の輸送機を…」
レコア「彼らは自分たちの勢力を拡大するため、軍備を増強中なの」
「おそらく、新型機であるヒュッケバインMKーIIを奪うため、輸送機を襲ったんでしょうね…」
(………)
ブレックス「宇宙ではティターンズに協力する者は少ない」「おそらく、君の会社の誰かが情報をリークしたのではないか?」
「そんな…では、俺達はティターンズにあのPTを渡すために輸送機に乗っていたのか…!?」
ブレックス「いや…社長のリン=マオ氏はティターンズのやり方に反感をもっている」
「それに彼女はそんな命令を出す人物ではない。おそらく、何か他の思惑があったに違いない」
「…でも、現に俺達はティターンズに一方的な攻撃を受けました」
ヘンケン「それがティターンズのやり方なんだよ。奴らは目的のために手段は選ばない」
ブレックス「そして我々は宇宙居住者に圧制を強いる連邦政府やティターンズに対抗して結成された…」「反地球連邦政府組織、エゥーゴだ」
「エゥーゴ…」
クワトロ「もっとも、ティターンズと戦うことだけが我々の目的ではないがね」
ブレックス「さて、君の処遇だが…選択は二つある」
「このまま口を閉ざしつきへ戻るか、それとも我々エゥーゴに参加してティターンズと戦うか、だ」
ヘンケン「だが、我々は現在作戦行動中だ。どちらにせよ、しばらくは行動を共にしてもらわねばならんが…」
「一つ聞いていいですか…?俺の輸送機は…他の生存者は…?」
ヘンケン「調査はしたが…シャトル、生存者共に発見出来ていない。おそらくは…」
「……!」(お、俺は…俺一人だけ…生き残ってしまったのか…)
(ついさっきまで…一緒にいて…話をしていたのに…)(…どうしてこんなことに…!)
ヘンケン「…大丈夫か?」
(………)「…え、ええ。作戦が終わるまでは…あなた方と行動を共にします」「その方が…いいんですよね…?」
ヘンケン「すまない。そうしてくれると助かる」
ブレックス「マオ・インダストリーには私が連絡を取り、事情を説明しよう」「そして、次の作戦が終了次第、君を解放する」
(………)
ヘンケン「では、これよりアーガマはサイド7のグリーンノア2へ向かう!」
トーレス「了解!」
***【#01終了】